私のひざに雨がふる ベッドの砂漠に陽が落ちて行く ほおずき人形抱いてた あの頃みたいに泣きたいよ 今日も私はただ一人 砂の上に立たされている まるで窓のない部屋の中 私のひざのにわか雨 まだまだやみそうにない 砂の上にねころんで 波の音を数えている おとなになるという事は 少しもうれしくないよ 重い毛布を肩にかけ まぼろしの丘を越えてきた者の様に 疲れはててる 私の勇気が背を向けて 鏡の池に沈んで行く 振り向けば螺旋階段 羽根ぼうきで消されて行く 悲しいうたをうたうのは 柳の上のさよなき鳥 月夜の晩に舟を出し 釣り糸をたれて何を釣る せめて夢をたぐりよせる 帰りそびれたわたり鳥 季節はずれの羽根の色 涙をなめてごらんよ 私はしおからトンボ うとうと眠くなるよ ハハコグサの胸の中