ふるさとの朝焼けは 何年振りだろうか 母ちゃんに手を引かれて 歩いたあの畑道 「朝ごはん」と渡された キズのついたトマト 売り物よりも甘かった 思い出したら泣けてきた 東京暮らしが辛くて 泣いた訳じゃない 胸に被った街のホコリを 振り払うように この朝焼けと思い出が優し過ぎて 母ちゃんとまた歩けるかな 朝焼けに染まる道を 誰より早く父ちゃんは 麦わら帽と長グツで 一仕事を終えた頃 いつの間にか空は青く あの頃はまだ強さと 大きさを知らずに 早く時が過ぎればいいと 空を見上げてた 汗で濡れた背中に 気付かないままで 父ちゃんのようになれるかな 朝焼けに染まる街で シワだらけになった手から 渡されたものと 小さくなった背中に見える まだ大きなものと 時の流れで変わっていく景色を胸に 僕も君に残せるかな 朝焼けに染まる情景を