連日雨が降り続いていたから うちから持ち出した透明傘 天気予報など気にしなくてよかった はずだった 溢れた傘立ての中ひとつ目立つ 派手な柄だけ浮いてる 改札を抜けて 少し膨れたような君が 当たり前に待ってた 「傘忘れたでしょ」って丸い声 肩に触れた優しさにさえ 気付けずに過ごしていたんだね ごめんね 馴れ合う罪は思う以上にでかかった 甘えが過ぎた当然の結果 何かにつけて後回しにしていた ツケだった 記憶に新しい君の表情は いつも悲しげだった 見て見ぬふりして 向き合うのが面倒だった 忙しさに感けた 君から離れてく事なんて 微塵も考えられなかった 過信にも程があったんだね 君がいなくなって初めての梅雨は 溜まった透明傘でいっぱいだ 後悔を洗い流してほしかったのに 今日に限って雨は 降ってくれなかった 改札を抜けて 待ち合わせる帰り道 当たり前はないんだね 今はひとりきり 見慣れた風景を歩いている どうかお幸せに