99歳になって お迎えがきて 遠い昔の幻を見た 後悔はなくて なぜか無性に あの日のことが なつかしいだけ あなたと出会う前の 19歳 街は 機械じかけのジオラマ 目映いほどに光るわ 疲れたまぶたを閉じるの 進みすぎた 時計の針を戻して この世のどこかに もっと 美しいことが あるような気がして 99歳になった夢を見ていた 辿る景色は 思い出のよう 実際は 今日も遅刻間近で おむかいさんに 挨拶しよう あなたにいつか出会う 19歳 埒のあかない 日々のシナリオ 追われるように過ぎゆく 寝ぼけたまなこをこするの 眩しすぎる朝日を 浴びて輝く世界はのどかで ちょっと 難しいことを 考えたりした 愛してみたいわたし 19歳 まるで とるに足らない日常 味のないパンに似てる とろけるバターを召しませ いつの日にか 退屈すぎた暮らしが 虚しくなるなら ぐっと 小気味いいほどのスリルを 刻み込もう 描かれた地図はいらない この世のどこかにもっと 美しいことが あるような気がして