久々に顔を出した 家族の待つあの家に 駅から家までの道 歩いてゆく まだ遠い 今度はいつまでいられるのと 問いかける妹達の笑顔が離れない ささくれたろくでなし 目的地の地図も持たないで 寂しさを遠ざけた 揺られた電車の中で 信頼を 愛情さえ 裏切り続けてきた少年は おぼろげに辿りだす 夢の轍を 未来とは時として 眼を背けたくなるほどに 輝かしく そして醜い なれるもの なりたいもの 年経るにつれ霞む全能感 闇の先 見失う 足跡は途切れていたよ 向けられた優しさも 哀しさも期待も笑顔さえも 背負うには重過ぎる 僕は逃亡者