鳴き方を忘れた鳥を哀れんだ少年は 行き道の途中で 目的地を忘れてしまった 何もわからずに 立ち尽くすだけの少年は 思い出せない歯痒さを思い出し 爪を噛んだ 意味の無い感情に憧れた生活と 何もない喧騒をかき分けてた現実を 今もまだ 時折羨んで 時折恥じ入って いつまでも裾を引く在りし日の少年 淡い風の中 (春は夢うつつ) 彼の日々を思う (うたた寝のように) 焦がれた思いは (ただぼやけたまま) 頬を掠めるだけ 変わらない当然を愛していた世界と 止めどない想像をかき立てるBGMを やがてまた 時折引き裂いて 時折重ねて どこからか響き出す新しい旋律 誰かを諭すように 誰かを思うように どこまでも裾を引く在りし日の少年