タイダイの西日は ヤシの木を照らし 導かれるかのように落ちていく 波打つステンドグラス 煌めくカレイドスコープ 砂丘に寝転び日だまりを集めた もう少しで今日の分の太陽は また別の今日を照らしにいく 夜がくるまで歌っていよう 朝がくるまでおしゃべりしよう 映画みたいに 二時間半で終わる人生なら それでよかった 夜のうちに僕らの身体は濾され 心はそっと朝日に洗われる 昇って弾けるグラスの泡のよう 瞬きしている間に 始まり終わっていく ここへ来たのは 僕らが最初じゃない だけど僕らが来たのは初めてさ 薄明かりの中を車で行こう 花の香りにむせびながら 夜がくるまで歌っていよう 朝がくるまでおしゃべりしよう 映画みたいに 二時間半で終わる人生なら それでいいけれど 朝日の中を車で行こう 銀色の風に吹かれながら そこへ行くのは この子が最初じゃない だけどこの子が行くのは初めて この子の今を守りたい この子の笑顔を守りたい 映画みたいに二時間半で 終わらなかった僕らは この子の明日を守りたい この子に明日を届けたい 薄紫の花で飾って 僕らはこれでよかったんだ 全てこれでよかったんだ