柔らかな陽だまりに座り 昔話をしている そよ風で膨らむカーテン レースの中で かくれんぼをしてる 少女が いたずらに微笑んでいる 洗濯物をたたむあなたの 背中が小さく感じる 子供のこぶしで叩いてた 肩は高くそびえ立つ 山のように見えた 久しぶりに叩いてあげようか 明日名前が変わっても あなたの娘(むすめ)なのは 変わらないから 箱で持ち出せない記憶や 思い出を この胸に 収めたくて 未来の扉を開く前に 柱に刻まれたいくつもの 日付を指でなぞると 背筋をピンと伸ばしたあなた 私を見上げ 得意げに笑う 姿が 蘇(よみがえ)り涙がこみ上げる 明日名前が変わっても あなたの母であるのは 変わらない 親子で迎えた10,000 の朝は この胸で煌(きら)めいて 家族の扉を照らしている 七五三の着物から ウェディングドレスへ 巡る季節の花を摘み 希望色のブーケを手にとって さあ、手にとって 明日 涙を隠しても 心に 宿る感謝は隠さない 明日 名前が変わっても 二人の 絆は何も変わらない 白紙のキャンバス 幸せで染めて 恐れずに (恐れないで) 歩いていこう (歩いて行って) 未来の扉の向こう側へ