風の音で目覚めた 夜明けは薄明かり あなたの肩にかけるシーツ そっと腕をのばして ラジオをつけましょうか もうそこまで来たタイフーン ブラインドのすきまの 空は不思議な色 厚い雲が動いてゆくわ 銀色の草も木も 妖しくゆれはじめて もう すぐに外はタイフーン あの 夏の島の 苦しい潮の香り ここへ ここへ ここへ あなたがお茶を飲んで さよなら云う頃は この部屋もひどい雨の中 ちっぽけな町じゅうが 止まってしまえばいい 今日はどこへも行かせないわ <♪> あの 夏の恋の 苦しいときめきを ひとり ひとり ひとり 私の胸の奥に生まれた台風が シーツの海を吹いてゆくの 哀しくてこわいから あなたを離さないわ もう すぐに外はタイフーン