1978年の春、四谷の「いーぐる」に行った。友人に誘われてはじめて入ったジャズ喫茶だった。クラシックばかり聴いていた身には、すぐにはジャズの良さはわからなかった。次につれていかれたのが、代々木の「ナル」だった。ここは、仰天した。その音のでかいのなんの。そしてその爆音が身体に染みた。ジャズがガツンと来た。これがジャズか、と思った。そのあとは、小さな音でも、ジャズの良さがわかるようになった。やがて、営業仕事であちこち行くとき、必ずその地のジャズ喫茶を訪れることが習慣になった。お土産には店のマッチをもらうことにした。たくさんのマッチが集まった。東京を中心に、函館、京都、福岡など100個はくだらない……。
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