まだあまり知られていない注目の曲をお届けする「HAYAMIMI」プレイリスト。
今回は、インターネット・レーベル「Maltine Records」を15歳で設立した主宰者tomadがHAYAMIMISTとして参戦。アンダーグラウンド~メジャーなタイトルを厳選していただきました!楽曲毎の解説が必読です。
【本人コメント】
春も過ぎて夏に向けて段々と気分がウキウキしてくる頃、パーティーに行く前に退屈な日常から離れて気分をチューニングする為に。J-POPからK-POP、ハウス、R&B、ハードコアテクノまでポップとダンスを節操なく繋ぎ合わせる14曲をチョイスさせてもらいました。
●Kick a show - 0時ちょうど (Prod. Okadada)
都内のクラブをフィールドに活動する男性シンガー Kick a Show による初のアルバム The Twelve Love から。我らがオカダダがプロデュースした1曲を。遊びに向かう高揚感をサラッと歌っていてクールで素敵。
●Ryan Hemsworth / NewAgeMuzik - Four Seasons
カナダ出身の多才なトラックメイカー Ryan Hemsworth とロンドン在住のアフロビート・ユニット NewAgeMuzik による1曲。0時ちょうど からのアフロビーツ繋がりで徐々にテンションをアゲ。
●Kelela - LMK
2017年に名門 WARP からリリースされた Take Me Apart 収録の1曲。オーバーグラウンドに攻め込むポップな内容になっていますが、トラック制作陣はJam City、Bok Bokをはじめとした Night Slugs 周辺の硬派なメンツ。
●Joe - Tail Lift
孤高のオリジナリティを確立しているUKのレーベル Hessle Audio からミニマルな4打ちサウンドを得意とする Joe の1曲。昨今のハウスのテンションを培養させながらもトリッキーな展開で引きながらグイグイ持っていくタイプのスルメ曲。DJの序盤にかけたら間違いない。
●Bullion - Blue Pedro
C.E など共同でパーティーをする等ストリートファッションとの繋がりも強いイングランドのテクノ/ハウスレーベル The Trilogy Tapes からその中でも異色な Bullion による1曲。壊れたエレクトロニック・ポルカに合わさるイーブンキックが脳を直接刺激してきます。
●Lone - Temples
UKの老舗テクノレーベル R & S Records から今やレーベルの顔となった Lone による1曲。アンダーグラウンドハウスの養分を吸い上げながらもオリエンタルなフレーズが冴えるロー・ハードコアブレイクビーツをこのタイミングで出してくるあざとさ。
●iri - Watashi
ここから3曲はオススメのJ-POPを。まずは先日リリースされたアルバムも好評だった神奈川県逗子市在住の女性アーティスト iri のハスキーな歌声が冴えるナイスなこの曲。ちなみに水曜日のカンパネラでもお馴染みケンモチヒデフミがトラックを担当しています。
●三浦大知 - DIVE!
日本レコード大賞にて優秀作品賞を受賞した EXCITE などダンスミュージックとの接点の多い三浦大知のベストアルバムよりリード扱いのこの曲を。J-POPのキャッチーさと透き通った歌声が絡み合い、メジャーでもこれだけカッコいいことができるんだと見せつけられる秀作。
●tofubeats - ふめつのこころ
つい最近に最終話が放送されたテレビドラマ電影少女のオープニングソングで、トーフビーツのJPOPサイドな1曲。コアな音楽ファンとしては物足りないかもしれないけれど、マスに向けては今ちょうどいい塩梅。
●A.C.E - Callin
2017年5月にデビューを果たした韓国の5人組ボーイズグループ A.C.E によるパワフルな1曲を。BPM180前後で歪んだキックが入りまくるポップスではあり得ない展開とそれをまとめる構成力に現在のKPOPの豊饒さが表れてますね。
●m-flo - All I Want Is You (DJ Shimamura Remix)
LISA を再び迎えて活動再開した m-flo がそのタイミングに合わせてリリースした過去曲リミックス集より。若手からベテランまで色々なトラックメイカーが参加していますが、この DJ Shimamura リミックスがベストでした。難しいことは考えないレイヴハードコアテクノトラック!
●Charli XCX - Unlock It (feat. Kim Petras and Jay Park)
きゃりーぱみゅぱみゅとのコラボレーションでも話題なイギリスの新世代ポップアイコン女子。PC Music のメンバーがトラックメイクに参加していて、この楽曲も AG Cook × Life Sim がプロデュース。さらにフューチャリングの韓国系ラッパー Jay Park のラップが超イケている。グローバルポップスの幕の内弁当ですね。
●Dean - 21
Jay Park 繋がりでここ数年層がさらに厚く面白くなってきているK-RAP / K-R&B界隈から一つ頭飛び抜けている Dean の楽曲を。耳障りの良い軽さ、これでトラックメイクからボーカルまで担当してさらに顔が良いってのはズルいワ。
●James Blake - If The Car Beside You Moves Ahead
最後に風変わりな1曲を。パーティを抜け出して深夜の公園とかでぼんやりと聴きたい James Blake の最新作。ピッチベンドが多用されたヴォーカルが哀愁を誘います。
プロフィール:
tomad
2005年、当時15歳でインターネットレーベル「Maltine Records」を開始して以降、これまでに150タイトルをリリース。ダンス・ポップ・ミュージックの新しいシーンと東京の同時代のイメージを象徴する存在として国内外のメディアで紹介され、注目される。2015年にはレーベル設立10周年を記念し、活動をまとめた『Maltine Book』(スイッチパブリッシング)を刊行した。また近年はロンドンやニューヨークでのイベント開催、海外アーティストの楽曲リリース、アパレルやアイドルとのコラボレーションも手がけている。
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