透明な鍵盤が 夏の音符を探してる 世界が僕らを見つめている 丘を越えて光る 雲があんなに早いから どこまでもきっと君と行ける 八月のオルガンが 僕らの声を全て 空へ届けてくれるようで 眩しい季節の向こう それはただ一瞬の 何もかもが美しい朝 滅びないものを僕らは知ってた 虚空へ漕ぎ出した オールはまだ頼りなくて 君の微笑みが舳先の旗 夏の空に打ち上げた僕らの歌声は 小さな火花になって瞬いて 消えてゆくけれど いつまでも忘れない 二人で響かせた木霊(エコー) まだ誰も知らない 新しいうたのように 閉ざされた砂漠に 初めて水を撒き散らして 艶やかに君が 繰り返す旋律 僕らが届かない箱舟が 横切る空に 標を残して燕が行く 夏の空 君のうた 僕らは未来を信じた どんなかなしみもきっと 超えて行けるんだと 踏まれた草の香り 恵みの水を待つ大地 今も君を探して 懐かしいうたが響く 八月のオルガンが 空に音符を散らして 僕ら遠くへ 二人で 行けると信じた 夏の日