だんだん言葉がゆっくり 実感に変わる 冷やかしてくるテレビが 背をさすってた そうして 君がいないのをそっと時間に還えて 思い出してしまえばまた引き 戻されるのに 傷さえ優しく仕立てた嘘 春のノイズを聞こえなくして 秘密の鳴き声 いまでも愛おしい 闇雲に愛した季節の音 いまさらどこにも行けない僕を 笑ってほしい 痛みすらも夜に混ざるよ だいたい中身がわかってしまってい る玉手箱 恐いものだよって知って明ける引き 出しの奥 残ってるね 刺さってるね 見えない血塗れになりながら 針を取り除いていく 名前を呼ばれたあの響きだけ また引き出しの中にしまった 秘密の鳴き声 とびっきりの生殺し いたずらに交わした未来のこと いまでもふとした瞬間 鼓膜が波打って 振り返ると誰もいないの 秘密の鳴き声 いまでも愛おしい 闇雲に愛した季節の音 いまさらどこにも行けない僕を 笑ってほしい 痛みすらも夜に抱かれて