煙る霧雨模様 景色を塗りつぶす 春が終わりを告げた 滲む黄昏時 ぽつりぽつりと開く傘の花の中に 君を探す 約束の6時半 駅前のバス停で一人 待ちぼうけた 雨に濡れた道路の乱反射 跳ねる飛沫が裾を染める 瞳の中を自動車が走り去る そぞろな僕を残して 交差する鉄道線 情景を切り裂いて 闇が堰を切って街へ溢れ出した ゆらりゆらりと点る プラットホームの灯り 照らし出す 君のようで君じゃない 知らない誰かさんに心躍らせて 雨に濡れた髪先を梳かしてる 君の姿が不意に見えた 夜へ変わる 何もなかったように 優しい夢の中へ 花は散った サヨナラも言わずに 白い残像を残して