溺れる君に見惚れてた 忘れた手を伸ばして 眠れる君に口づけた 目覚めないで 君と生きる為に捨てた物は 涙ひとつ君の手には触れさせないよ 君を想うだけで まるで水の中で ひとりきりで溺れ 息の仕方も惑うよ 濡れた髪に触れて 消えた声を聞いて つくり物の脚で 君を探して歩くよ 叶えた夢は色褪せて 君に望むばかりで 出会えただけで泣いた日を 忘れそうで 痛む胸を君のせいにしても 伝わらないもどかしさを 飲み込むだけで 口に残る鱗 肩に刺さる背鰭 歩く度に痛む 君の心と爪先 ここにいればいいと 生きるだけでいいと 頬を拭う君の 指の熱さが苦しい 君のいない海で生きることが 出来るのなら声を嗄らし ここにはいない 愛し合える日々を 望むばかりだけど 愛せないと君の 声で聞きたくないから 想うだけでいいと 思うわけがないよ 苦しそうな顔も ちゃんと見つめていたいよ 全て泡に消えて 楽になればいいと 鼻で笑う癖を いつもみたいに責めてよ 君の腕の中で あやすように抱かれ 熱を帯びた肌に 落ちる涙が冷たい