しのぶの乱れ 限り知られず 雪月花の時 君を憶う 捕われた 視線が外せない 妖艶な姿で 扇子片手に 篭の中の鳥は いついつ出会う? 人を寝沈め 満月の夜に 「逢えなくて たいくつな長雨の夜は 物思いにあふれ」 「涙の河は 袖ばかりぬれて 会う方法もありません」 おもひつゝぬればや 人のみえつらん ゆめとしりせばさめざらましを 君やこし 我やゆきけむ おもほえず 夢かうつつか 寝てか覚めてか 行きはよいよい 帰りはこわい 通りゃんせ 通りゃんせ もう戻れぬ 咲き乱れて 「浅いからこそ 袖は濡れるのでしょう 涙の河で」 「身まで流れたと もし聞いたら あなたを 頼りにしましょう」 たれゆゑに 乱れ 染めにし我ならなく かきくらす 心の闇にまどひにき あなたの心に 辿りつく道が欲しい 誰にも知られぬように 心の奥まで 見られるように 〈♪〉 二人が結ばれぬ 運命なら 紅の水へ沈みたい この世界に居ても 貴方が居ないのなら 意味がない 雪月花の刻 あなたと結ばれ 永遠に続く 契りを交わす わするなよほどは 雲ゐになりぬとも そらゆく月の めぐりあふまで