春風が 舞い込みそうな2月の夕方君は言う 「久しぶりって言えるなら 僕はもうただそれだけで」 暮らしたアパート 窓に映った灯りは知らない色だった もうこの街を 出ていくことになるんだね 眠れぬ夜を呑んで臥待ち月 少年誌で見たような大きな月 夜を越えて 桜舞い散るとき思い出すのは 朝まで語った名もなき夢 振り向けば遠くで揺れる君の手 それだけでまだ歩けそうだった どこまで来たのか分からないけど 正しかったかなんて分からないけど 小さな蕾よどうか芽吹いて 綺麗じゃなくたって いつか描いた地図が 今はどこにもなくてもいいよ ぽつりぽつり歌った歌が 今も変わらず こころに在るように 桜舞い散るとき思い出そうぜ なにも変わらない風の匂い 流れる涙さえ理屈じゃなくて 夢中であれたら ただそれだけで 遠い街の方へ 嵐さえ乗りこなして 寂しくなった時は 僕の手を繋いでいてよ