ゆれる 君と空気と陽炎が 今にも消えそうで ほらね 夏の終わりのプレリュード 僕はもういらない 殺して… 刺すような陽が ギラギラと輝く 青い悪魔が笑う どこへ逃げても どこかへ隠れても 僕を見つけ出して 君と同じだ 怖いくらい 見えないように 息を殺す 見え透いた嘘 モザイクまみれ 柔らかな皮膚 触れて 喉から肺へ 呼吸は熱く 苦しさに喘いでいる そして 君と空気と陽炎が 首にまとわりつく それは 太陽熱のカンツォーネ 言葉はいらない 刺すような目に ちりばめられた星 僅か濁る奥は 宙(そら)と同じだ 怖いくらい 吸い込まれそうで 顔をそらす 寂しいだけで 君と交わした 空っぽの心で 思えば君は 僕と似ている 少し哀しいね 嫌いだと言って 好きだとも言って 頭が割れそうで 喉から肺へ 呼吸は熱く 苦しさに耐えられない 愛を歌う その声は 聖者果てはピエロか 肌をつたう 水滴は 涙か血液か ゆれる 君と空気と陽炎は 壊れて消えたまま 今も 夏の終わりのマドリガル 僕はもういない