音のない夜が溶けていく 緩んだ水滴は 首を撫でる 冷えていく思い出に 鍵をかけておくように 柔らかい傷つけては やさしく誤魔化すの 汚した袖の分だけ 強くなれた なんてね ひとつずつを失っては 脆くなっていくだけ 憂いた花がわたしを 抱き寄せては囁くの 散り際は綺麗でいさせて 細すぎる糸の上に立っているみたい 見慣れたまんまで息していたかった 嘘には慣れてるけど まだ少しは痛むから 忘れ去るよりも先に 駄目にさせて欲しい 愛した人の分まで弱くなって 遠い蒼 味のしない後悔に 溺れていくのを眺めて 憂いた花がわたしを 抱き寄せては囁くの 散り際は綺麗でいさせて 音のない夜が溶けていく 緩んだ水滴は首を撫でる 剥がれ落ちた色を少しずつ集めても 元になんて戻れないと 分かっていたでしょう わたし普通になれたと 思っていたけど そんな夢 だって今も泣いてばかり 帰り道を歩いて ただ人並みでいたかった あなたがそう笑うから 散り際は綺麗でいさせて 「まだここにいてよ 息ができるまでは」 「傍においで ほら笑うよ」