凍り付いた針は いつかの僕を指して 戻らない日常 攫ってく あんなに見慣れてたはずの背中も 違う色の空の下 微かに弾けた 青の名残が 過去になる前に駆け出す 思いが言葉になるより早く 遠回りした季節を 今、追いかけるから 置き忘れた時間と記憶の先へ 束の間の温もりさえ まだ忘れられないよ 君だけがいない世界の片隅で もしもこの世界に 僕がいなくても 普通に笑えてるでしょ なんてね そう言う横顔は寂しげに ひどく美しく映った 「たとえば違った未来があれば」 諦めの悪い癖なんだ 始まる前から終わってたのに 知らなければよかったなんて 嘘、ただの強がり 変わる景色の中で変われないまま 曖昧な風の行方 けどひとつ分かるのは 君がいたはずの明日はもう来ない 懐かしいはずのこの場所 ふと、心噤んだ 君が見つめる先は 僕じゃない 遠ざかる平行線 空をなぞれば あの雲の向こうまで さよならの速さで風が吹く