似合わないシャツとほどけた靴ヒモ 疲れた体で 笑ったりすんだよ ふるえてた声を上手に隠して 伝えた所で時間切れの合図 「大丈夫 平気だよ、いつものことさ」 ベロの奥の方が少し熱くなった 川辺りに沿って走りながら 「もうすぐ家だよ」と涙をはげました 笑われるのが 何より恐かった できれば一人きり誰にも会わないで 「元気でいるよ」と書いてはやぶって たまった溜め息のベッドで眠る 開け放った窓のすき間から声が 「居るのは分かってる いつまでも待ってる」 「大丈夫 平気だよ 側にいてやる」 「大丈夫 平気だよ もうすぐ夜明けさ」 川辺りに沿って走りながら ウソみたいな声で世界を呼んでみる 今、ありがとう言い出せないかわり 悲しい成分が抜けた嬉し涙 今、暗闇になれたその体を 朝焼けが燃やして温度を上げていく 走りだした