膨らんだ息を流すように 季節外れの風が吹く その息を煙が追いかけて 静かに灰が落ちていく 時間が近づく 時間が近づく あなたと別れる 時間が近づく わずか数駅の距離が はてのない細道のようで はら、はら いつから私とあなたは ここまで遠くなったんだろう すれ違ったんだろう ため息をどこか逃すくらい ホームに強い風が吹く 「寒いね」と掛けた言葉さえ 線路を抜けて夜へ飛ぶ 時間が近づく 時間が近づく あなたと別れる 時間が近づく 月日を沢山乗せて 電車は想いでの外へ はら、はら これから私とあなたは 知らない人と人になる ドアが閉じていく 手を振らないで 手を振らないで ねえ ねえ……