埃に塗れた日記 あの頃の僕は未熟だった 霧雨にうねる前髪を押さえながら 何を見ていたんだっけ 下ろしたてのスニーカー 私服がなんだかぎこちないな 鏡に映る自分の影、恥ずかしくて 目を逸らしてたんだっけ 街角で流れる大人びた歌 愛を語るには若過ぎたよな 過ぎ去っていった春に甘えて 癖毛が気になりだしたのは 紛れもなく君に逢えたから 思い出す事は殆どないけど 誰かを愛す事でしか まともに成長できないから 今ではそれで良かったなって 思ってる 記憶の端に折り目を付けて仕舞った ところであなたはどんな 生活を誰と過ごしたんだ 寂しさを埋めるだけの日を 堪えながら何をしていたんだっけ あれから月日が経って 色褪せた過去になりやがって 正確に思い出す事も 出来ないくらい ぼやけてしまったじゃないか 凍った手と手がゆっくり 溶けてしまう程今でも いまさら 突然日記を読み返したのは あなたを感じたくなったから そんなに急に遠くに行くとは 思ってないから 癖毛が気になりだしたのは 初めて乾杯をしたのは 誰かの為に泣いたのは 冷たい手を握ったのは 誰かを愛す事でしか まともに成長できないから 今ではそれで良かったなって 思ってる 記憶の端に折り目を付けてしまった