気づかぬうちに夜が手を振る季節に ドラマの見えない生活の中で 目の前を吹き抜けた夜風の匂いが 朧げな記憶を頭の片隅に呼ぶ 眠れぬ夜に逃げ出したアパートから とくに当てもなく、話すこともなく あの頃に抱いた希望やあこがれは 跡形もなく思い出せないまま 終わりへ向かう、足跡を残しては ふと振り返れば、無味の色が残る 僕らは歩く、答えのない旅よ モノクロの世界が色付きますように 地図のない場所を、 一人彷徨うことは 生を疑うほど、 無意味だと思うだろう、でも 出会うだろう、視界が色付いた朝に 僕らはずっと、孤独ではないのよ わたしは、知らないうちにきっと あなたに意味をもらい、 死ぬのだろう わたしも、知らないうちにそっと あなたに寄り添いながら 生きるだろう 生きていたい