歩く自分の足を追って歩く 行き交う人を上手によけて 風のようにと想像しながら 大きい道から小さい道へ 曲がり角から夕日がさして ビルの景色はやさしくなる あの野と川はどうしてる 夏から秋へと変わる光は ああ太陽に焦がれ 溶け出した心よ 街の谷間に流れ込み とぼとぼと 這って広がるコンクリートを舐めて つまらなそうに風は 通り過ぎた それを追いかけてゆきたいんだ 大きな夜が大きな朝が ずっとそばにいるはずなのに 遠くにいるようだから まだまだ私はなにも知らない 思い出と想像の彼方に 山野 人間はつくり続けて数千年 今どのへん? 健やかさとは何でしょう 歴史にまかせ季節のままに 葉は開かれ花は咲いている 悪意なき野蛮な腕が それを破壊してきた 自滅へと至るこの情けなさは 自分の尻尾を追いかけてくるくると 回っている そいつを解き放つんだ 大いなる欲望が 大いなる発明が ずっとあたりまえのよう 同じ顔だけど まだまだ私たちはかしこくなれる この身あの海に耳をすませて 心の原野へ 山野へ