なぁ「生きる」ってなんだよ 「根腐れした生活との 心中を夢見て止まない」 そんな歌を書く 退屈で自慰的な日々だ 失うものなんてない 強いて言えばこの命くらい 情けない 三十で死にたい 喜怒も哀楽も邪魔だな もう窓から捨てたい 僕は空っぽであるべきだ じゃないとまた泣いてしまう 惨めな現状に 壊してしまえよ 僕のこの感傷を 音楽を 理想の未来を 声を 言葉を 愛憎の記憶を 譲れないものも 守りたい存在も ないような人生を なぁ「生きる」ってなんだよ 夕焼けの部屋に 焼死体は僕一人だ 死にたい理由が 天井に 焼け付いたまんまだ 僕が歌を歌えば たちまち灰になって消えた だからもう これで最後にしたい 春ももうすぐか 嫌だな ねぇ 風の隨に 僕も攫ってくれないか じゃないとまた気付いてしまう 己の無価値さに 美しいものは 総じて一瞬だ じゃあ僕は不老不死かもな 冬の夕日も 黎明の夜明けも 朝焼けも刹那 花も雨も四季も 風景も同様だ もう みなまで言うなよ 「負けるが勝ち」っていうのは 勝者の甘言だ 肥大した自嘲は敗者の 後遺症 好きで握ったペンやギターは 僕を刺すナイフ 成れの果て 己が血を啜るその先に 幸福はないぜ 「いつか」って 言葉が嫌いでしょうがねぇ 今んなって 足掻いても僕には「それ」しか ないのに 死なば諸共だ くらえ この絶唱を 来世では笑っていたいよ それだけでいいや 望めば損すんだ 大抵は 知ってんだ 壊してしまえよ 僕のこの感傷を 音楽を 理想の未来を 声を 言葉を 愛憎の記憶を 譲れないものも 守りたい存在も ないような人生を 腐った性根を 「花は散るから愛されるのよ」 いずれ死ぬ僕は愛に飢えた なりたいもんにもなれねぇと 悟って枯れたんだ 桜の咲いた庭を眺めて 呟いていました 「生きるってなんだろう」 「生きるってなんだよ」