萬綠壹紅の感情が何故か、 躍起に成つて胸を割いた。 當に、名月伏せる雲烟の如く、 突散らかつた思ひに息が詰まる。 騷ぐ毒毒、心の臟。 薄ら憂の情操と迅る朝の陽射し。 未だ彷徨つて居たいのに。 舌に蔓延る感觸。 石榴の味は自弃に虚しく、 しんと乾き切つてゐる。 今に感情决壞。 愛も情も奪つて仕舞ひたいわ。 長雨、丗に降れば屹と、 色は褪せてゆく。 囘祿状態。 梦裡で逢えたのなら、 君は何を求めるのか。 應が欲しいのです。 萬死壹生の特攻か否か。 取組み合つて肝を碎いた後に、 道に迷つた。 泥沼の如く混絡がつて觧けない。 救つてくれ。 暴れ出した、心の臟。 堰を切つた此の夲能。 疾る赤い心は、厭わしい! 今に感情决壞。 愛も情も奪つて仕舞ひたいわ。 眺め、丗に經れば屹と、 色は褪せてゆく。 精神崩壞。刹那に散るのなら、 音を立てず靜かに美しい侭! 後悔の哀哭と敗戰、 さあ何方が快哉。 今、漫ろ風の輪郭が、 私の背を押してゐる。 舟よ、進め。 壹切合切、水泡化して、 肝腦塗地の木端微塵で、 せつせつせのよゐよゐよゐ。 感情决壞。 愛も情も奪つて仕舞ひたいわ。 長雨、丗に降れば屹と、 色は褪せてゆく。 靑息吐息。 如何成つたつて否やは無いわ。 高く高く舞ふ。 毎分毎秒、脉拍は速く鳴つてゆく。 私は君を求めるのです。 應が欲しいのです。