暗い女の部屋でマヌケな肌をさらし おぼえ始めの味でうなじを真っ赤に染めて 世慣れたウソもつけない頃は 色気の中で我を忘れてた 中途半端な義理で親父のために学び 他人(ひと)の顔色だけを窺い拍手をあびて 泣かない事を誓った日々は 無邪気に笑うことも忘れてた 真夜中のダンディー ダンディー 俺は生きている 悲しみのダンディー ダンディー 汚れた瞳(め)の Brother…… このホホを濡らすのは 嗚呼 雨だった 友は政治と酒におぼれて声を枯らし 俺はしがらみ抱いてあこぎな搾取の中に 生まれたことを口惜(くや)んだ時にゃ 背広の中に金銭(かね)があふれてた 真夜中のダンディー ダンディー 風が吹いている 悲しみのダンディー ダンディー 同じ顔の Brother…… 追い風に煽られて 嗚呼 逃げてゆく 愛と平和を歌う世代がくれたものは 身を守るのと知らぬそぶりと悪魔の魂 隣の空は灰色なのに 幸せならば顔をそむけてる 夢も希望も現在(いま)は格子の窓の外に 長い旅路の果てに魅惑の明日(あした)は来ない 可愛い妻は身ごもりながら 可憐な過去をきっと憂いてる 真夜中のダンディー ダンディー 誰が待っている? 悲しみのダンディー ダンディー 過去にすがる Brother…… 降り注ぐ太陽が 嗚呼 影を呼ぶ 愛しさを知るほどに 嗚呼 老いてゆく またひとつ消えたのは 嗚呼 愛だった