北国の 雪に埋もれて眠る ふるさとが 何故か恋しゅうてならぬ 大人になりながら 失くしてきたものが みんなそのまま あるような そんな気がして 空を見る だけどこの俺は 未だ帰れない 銀杏を 夜の囲炉裏で焼いた ふるさとの 家は残っているか 悲しさ苦しさに かくれて泣く時は いっそ死のうと 思いつつ 汽車をさがして 朝を待つ だけどこの俺は 未だ帰れない 雪解けに 春の陽ざしがゆれる ふるさとの 町を歩いてみたい 花咲く丘に立ち 港を見下ろせば 潮の匂いに さそわれて 生きる勇気も 湧くだろう だけどこの俺は 未だ帰れない