全てが終わろうとしている夜は ついに吹いたあたたかな風が 広い世界と僕を繋げた ご飯を食べて 生きていく意思を無くしたままで 余りに広いその世界に放り 出されたのだ 夜風に吹かれて 歩いていく道は きっと美しい季節なんだろう 知らない人たちが 楽しそうに笑っている おやすみを言ったあと ほんとはひとり散歩に出た 届かないことを知る その瞬間までこそが この人生の輝かしい過去だった いつか笑えるだろう 生き永らえれば どうせ約束も無くなったのだ 好きな時間に起きる 夜風に吹かれて 歩いていく道は きっとどこにも続かない 今日だけ 僕のためのあたたかな孤独 あまりにも遠いところまで 来てしまった僕は もう戻れないから君に! 追いかけて欲しいと言えなかった 呼吸が乱れるほどの怒りを呑み 込んだら 心臓が一度跳ねて 悲しみがぜんぶ持って行った 夜風に吹かれて 笑えた僕らは 始まっていこうとする 日々のそのあたらしさのなかで 踊るように 揺れるように もっと早く もっと早く