黙って俯いて 空の色さえ知らない私の 声で君が笑った あの日から世界は眩しくて 私は私を好きになって 失くさないように息をする 眩むような青空の真ん中で 今も泣いているのは 君が映る世界が 悲しくなるほど優しいから 苦しくなるほど遠いから じくじくと疼く甘い熱は 閉じ込めていたのに 痛くて零れた 君と私の躰と躰の間にある 酷く薄い皮膚さえ もう邪魔になるくらい その鼓膜 その心臓 ずっと奥にさわれたら 君はまた笑うのかな ねぇどうか君まで届け 強がって笑った 息を呑むような橙の中で 君が見てる世界の隅っこで いいからいさせて どこでもいいから私を見て ねぇ明日は晴れかな雨かななんて そんなこと当たり前に思えるのは 君がいたから でもね今もこの胸を締め付ける 空の色に 立ち尽くしたまま動けないのは 頬が濡れていくのは君のせいだ そんなこと思ってしまったの 思ってしまったんだ 私ひとつ分の涙じゃ 全然足りないくらいに 涸れそうで罅割れて 心が止まりそうなの 言葉にしようとすればするほど 嗚咽になって溶け出してしまうから 君と私の躰と躰の間にある 呼吸も温度ももう邪魔になるくらい その鼓膜 その心臓 ずっと奥にさわるから 私を見付けてよ 壊れても叫ぶから ねぇどうか君まで届け