どこへ行くとも 言わないで 夜明けあの人 船の上 雨のデッキに眼をこらしても 溢れる涙で何も見えない…… わけをきかせて下さいと 叫ぶこの声 銅鑼が消す 行かないで 行かないで 行かないで…… 寒さ間近の 波しぶき 夜明け棧橋 雨しぶき こんな時間に出て行く船に あの人希望(のぞみ)をかけたのだろ うか…… だけど私はどうするの 何もおしえず 行くなんて 行かないで 行かないで 行かないで…… ぼくの故郷は 君の胸 いつもあの人 言っていた いつか夜明けに帰って来ると 一言きければこんなに泣かない…… 私いつまで待ちますと 船につたえる 束の間を 行かないで 行かないで 行かないで……