自転車で駆ける街の匂い まだあの空の色も残っているんだ 真夜中の自販機の光 缶チューハイの苦さ 君の手の温度で色づいたすべて 季節が過ぎることを知らないまま 僕は君になにかしてあげられたかな どうか、どうか、 このままこんな夜が 君を攫っていきませんように 僕は君の神様にはなれない 代わりにギターを握って歌ってあげ るよ 君だけに 君だけに 君だけのために 誰にも聴こえない小さな声で ここにしかないラブソングを だから目を見ていてよ 季節はきっと僕らを目隠しして 遣る瀬無かったあの日々を責め立て るだろう どうか、どうか、 いつしかこんな夜を 愛せる僕らになれますように 僕は君の神様にはなれない 代わりに左手を握って言ってあげる よ 君だけに 君だけに 君だけのために 誰のものでもない僕の言葉で 君はたしかにここにいるってさ だからまだ離さないでいて 許せないこと、今は許さなくていい 僕は君の神様じゃなくていい こんな夜に 君のこんな夜の 一番近くにいられるのなら