僅かな命だと 話すあなたの目が揺らいだ 緩やかに確かに時が過ぎる 虚ろな日々を綴っている 冷え切ったその手を握っても 乾いた咳嗽が静まることはなかった 明日が見えなくたって 僕が照らすからまだ消えないでよ 春を待つ声がひらひら響いて虚空を 舞ってる 白雪のように 花のように ただ、 儚く 溶けてゆく時の中 交わした温もりが冷めたら そんなあなたを 春風が攫ってく 少しの別れだと 作り笑うあなたが言った 今に途切れそうな息が白む 痩せ細る手の握り返す力も脆弱にな ってく この部屋だけは時が止まればいいの に いつしか歩けなくなって 話せなくなって消えてしまうのね 唯一つだけのその命はきっと巡り巡 ってく その度出逢って同じように恋をして ゆく 「ロマンチックだね。 」って笑うのは 褪せたフィルムの中 並ぶ二人が 透明に変わってく 朝、目が覚めたら 全てが夢であってさ 隣であなたが笑っていたらな そんな願いも雪消と去って 春の匂いがする 華やぐ季節にあなたはいないのね 春を待つ声がひらひら響いて虚空を 舞ってる 白雪のように 花のように ただ、 儚く 溶けてゆく時の中 交わした温もりが冷めたら そんなあなたを 春風が攫ってく