微かな音を立てて 病室の窓を四月の風が叩いた 歳を重ねては 譲れない事や 手離せなくなる事もあるでしょうと 屋上から破り捨てたカルテは 今もまだ宙を舞っている 朝がやってくる前に 書き換えてしまいたいな 白衣を着た彼らも 嘆いてばかりはいられない 君がもう何一つ 恐れずにいられるように 冷たい指先で秒針に触れる 少しずつ戻していく 我が子を持てば 残したいものや 聞かせてあげたい歌があるのだと 膝を抱えて 季節は変わっても また此処で始めよう 確かに君は誰かに愛されているよ 痛みだけを取り除こうか 朝がやってくる前に 書き換えてしまいたいな 白衣を着た彼らも 嘆いてばかりはいられない 君がもう何一つ 恐れずにいられるように 大丈夫だよ 大丈夫だよ