霧けむる瓦斯灯(ガストウ)の火が 君の瞳の涙を照らす ものすべて灰色の街 ぬぎ捨てた靴だけ紅いよ 「死にましょう」 ため息まじりの冗談に 「死ねないよ」 年月だけがあとずさる 舞姫 舞姫 都会の夜を今駆け巡る 恋という名の舞踏会 舞姫 君は手足が 舞姫 そう折れるまで 踊りつづけるつもりだね <♪> 鞄へと夢をつめこみ 君は来た このみぞれ街 三日後に 東京湾から 吹く風に髪も凍えた 「愛しましょう」 心を絞って叫んでも 「愛せないよ」 顔をそむける人ばかり 舞姫 舞姫 はじめて君を見た居酒屋で 涙相手に踊ってたね 舞姫 不幸は女を 舞姫 美しくする 男をそこにくぎづける <♪> 透き通る硝子の肌を 抱きしめて あたためたかった でもそれが 優しさなのか 愛なのかわからぬままに 「死にましょう」 女の瞳の切っ尖に 「死ねないよ」 淋しさだけが押し黙る 舞姫 舞姫 君の寝床にレモンを置いて 今夜遠くに旅立つよ 舞姫 人は死ぬまで 舞姫 運命という 糸にひかれて踊るのさ 舞姫 人は死ぬまで 舞姫 運命という 糸にひかれて踊るのさ