純なおまえを 置き去りに俺は 北へ北へと 流れてきたが 春の襟裳は まだ寒すぎて 唇震えるよ 霧笛を背にして 飲む酒は 淋しいもんだね酔えないもんだね ひとり旅の酒 遠くなるほど 愛しさが募り ブイの灯りに まぶたを濡らす こんな自分を 初めて見たと おまえに伝えたい 未練をまさぐる 甲羅酒 切ないもんだね 身に染むもんだね ひとり旅の酒 夜の波止場に 捨てられた花を そっと拾って おまえを想う 春の釧路は 重ね着しても 暖炉が恋しいよ なぐさめ相手は 徳利だけ 淋しいもんだね 酔えないもんだね ひとり旅の酒