隙間だらけの広いリビング 転がるペン先 乾くインク 残したい感情はあるのに 晒す行為自体 強情に遠い今宵 隅に書いたメモ程なら 手も簡単に動いたけど 一投め重い夜に 逃げ出すように 「続きは明日(みょうにち)」 誰に向けて 描いた風刺絵か 「言い当てて」 欠いた主体性が 曇らせて世界観 台無し 無言だって 想えば素直に伝うのに 不実の悔い 自責の念化した正義 気づけば「ダメなやつ」って 定義 & ネーミング 凝固した不安も 水溶性の安堵 必要なのは ほんの一粒の 「苦しい」って吐露 自分向けに 描いた風景画 それゆえに 宿した主体性が 雲間に穏やかな 光照らし 他人にとって 暗い世界とて 「これぞ楽園(エデン)」 「自分の絵です」 握る筆で 咲いた庭園