蝉も泣き止んで いつの間にか早くなった日暮れ 寒暖差の戯れ ビルの隙間に手を伸ばすと あの頃の空は広すぎたなんて思う 今朝脱ぎ捨てて行った シワシワの部屋着を拾った 呆れ顔で怒る声が聞こえた気がした 少し背筋を伸ばして 誰もいない部屋に謝って シワシワのTシャツをまた被った ただ体が軽くて 自由に歩けるのに 心が重たくなって涙が出るの 虫の声の代わりに笑い声が響く街は まだ慣れそうにないな 最終電車が通り過ぎた音 この街の夜はまだ終わらないらしい 見飽きた映画を流すお供に 冷えた缶ビール取り出して気付く 空っぽの冷蔵庫 ため息だけ溜める宝庫 時々どうしようもなく情けなくなる 深夜に向かうコンビニ 夜道のアイスの罪に とやかく言われないのも 寂しくはないけど ただ体が軽くて 自由に歩けるのに どこか物足りなくて涙が出るの 星屑の代わりに街灯が光る街は まだ慣れそうにないな ただ体が軽くて 自由に歩けるのに 心が重たくなって涙が出るの 虫の声の代わりに笑い声が響く街は まだ慣れそうにないな