摘まんだページの真ん中の奇譚の類 薄暗いランプの前 黄昏るようにもたれる大学生 ないものねだりの囚人たちが 手招きする汚い夜さ 沸き立つ享楽に時間と金を 忘れたまま パララ ラッパの声につられて歩く 山鉾灯りの灯火が宵山を照らしたら そこは神の子どもたちが踊る街 さぁさ始まる始まる 小さな冒険の合図 「手をかざして前を見ろよ」 珈琲の匂いで眠気を取り払う チカチカ迷うランプに視線を移せば 提灯集まる 宵の祭り 茶色にしみたページを めくるめくる巡る巡り廻る さぁこれから果てない欲の旅 捨てることのできない 正義と悪のパラドクスタイム どうしたい?今宵はrolling はねたリズムに徒然に 惑わされそうさ 「おかえり」 酔った浮足遊ばせて 赴くままに匂いのする先へ 過去のことは忘れ 新しいことも何もないさ 街から街を渡れ その先は知らない世界 果てまで さぁ きっとこれは 初めから無かった夜さ ポートワインに映る赤色の月が欠け グラス傾け視線は荒野へ 長く短い旅路終えたら この冒険は本棚へとしまおう