西日のあとの静けさを 溶かしていく橙の灯り とある別れと次の朝を 忘れるための最低な祈り 届かない手紙の屑と 歌になることのない悲しみを 葬るだけの無様な夜だ 嗚呼、なんて無様な夜だ さよならに返事がいるのなら あと少しだけそこで待っててね さよならに続きがあるのなら もう少しだけ急いでいくね 幾日かぶりに出た街は 昨日のことも忘れた顔で ビルの隙間 千切れた空に ため息が吸い込まれていくだけ 引き攣った顔でどこへいく 汚れた言葉で何を歌う 赤い鉄錆のつく掌に 今も残る薄い爪の後 幸せに資格がいるのなら もうなくしたけれど見逃してよ 幸せの続きを見たいなら こんな歌も終わりにしてさ さよならに返事がいるのなら 決して涙だけは流さぬよう さよならに続きがあるのなら もう少しだけ急いでいくね あと少しだけそこで待っててね