真夜中のアスファルトから沸き上がる、 生乾きの夜風が、 夏を名残惜しむ様に、袖口を泳ぎまわってる。 賑やかに幕を閉じた飲み会のあと、 忍び込んだグラウンド。 輪になって腰を下ろした、お決まりの顔ぶれ。 飲み足りないやつは缶ビールを、 忙しいやつは携帯を片手に、 大したオチも期待できない様な、話題を繰り返す。 途切れる事の無い笑い声と、変らない話し言葉に、 心がほどけて、遠い記憶の中へと連れてゆく。。 あの頃は、迷ったり、考える暇さえも邪魔臭くて、 みんなでいれば、何だって出来る様な気がしていた。 どこへでも行って、やるだけやって、 時々、バカを見て。。 そうさ、分かっていても、それでも、 僕等を止めるものなど何も無かった。 夢中で追い求めていたものが、 青春だったとするならそんなもの、 これっぽっちも見えた事など無かった。 時が過ぎて、今、ページを戻し、少しづつ読み返す。 ボロボロの日記をめくるような、 このもどかしい気持ち。これも青春。 幾つかの恋もした。それと同じだけのサヨナラも。 今、遠く斜向かい、ひざを抱え座ってる、 たしか、、君にもね。。 手渡したオレンジ色の花火の光、君の薬指にキラリ。 細々と、燻っていた恋の火も、 バケツの中でシュッと消えた。 色んな事があったよね。 主役の居ない映画のような日々さ。 あの日だってそう、お前が俺の身代わりになって、 あいつの為、みんなで謝って、 結局、なにもかもダメで、 全部、振り出しに戻って、また、朝まで笑って、 少しだけ泣いた。 にわかに近頃、大人になったような気がする、 自分に嫌気がさす。 本当に大切な事がなんなのか? まじめに考えてたりする。 カッコつけていう訳じゃないけど、 ちゃんと生きていかなくちゃね。 お前みたいに、 カッコ悪くてもちゃんと輝いていなくちゃね。 芝生の熱で温もった缶ビールを、 一気にあけながらお前、 こぼれそうな星空を見上げたまま、涙を拭いていた。 お前とは、今日まで秘密無く、 何だって話してきたけれど、 どうしてか、どうしてか、何も聴けなかった。。 男には色々あるんだ、どこまでも孤独だから。 まだまだ、越えて行かなくちゃいけない壁が沢山、 待ってる。 でも、その向こう側を見た時、 何もかも忘れる生き物さ。 そして、また新しい光に向かって、性懲りも無く、 歩き出して行くんだ。 Feel easy just seeing you sometimes. (時々会えれば それでいいんだ) Feel comfy just being with you sometime. (一緒にいるだけで 解り合えるんだ) Only a few minutes are enough to (ほんの僅かな時間で僕等は) bring us back those good old days. (いつだってあの頃に 戻れるのだから) 明日、仕事だからと、一人、 また一人と芝を払い立ち上がる、 夜明けの雲の隙間に張り付いた、 朝星を見上げながら。 この街を離れてから今日まで、 心の何処かに空いていた穴を、 すっかり埋められたよ。また、いつか帰るよ。 元気で‥元気で‥