『忘れないでね』 マス目のない紙に 甘えたくて書きとめた ワガママばかりつらねた 今まで あたし、生温く育ちすぎた? 明日からどうしよう? ウソ泣きさえ必要ない 小さな部屋で 「ただいま」 「おやすみ」 あなたが言ってくれた それだけで笑ってた 今日で終わり ありがとう、聴こえる? 乾ききった心音(こころね) うるおいますように いつしか… 『忘れないでね』 きらり 銀の指環 不安そうなきみのこと とても傷つけ ごめんね 悲しいはずの記億たちが今はもう 最高の贅沢だ 相手がきみでよかったな ほのかに明かり灯して 「おかえり」 抱きつき 言ってくれた それだけで安らいだ 明日のきみのそばには すてきな人がいると願うよ 寂しくさせる 僕 ―ゆるして