コンクリートを黒く濡らした降り注 ぐ雨は まるで僕たちの憂鬱のように 音も なく広がってゆく 「会えないの?」受話器越しの掠れ ている君の声に 囚われた僕はすぐに ドアを開け夜 を駆けるよ 夜にしかその花を咲かせない君だか ら 僕はただ朝の来ない世界を探してい る 狂い咲け今だけを、この瞳に刻み瞑 じた 痛いほど真っ白なその肌と かぐわ しい香り 咲き乱れ、今だけは全て忘れて欲し い 痛いほど真っ白なその胸に刻んだ約 束 季節が何度巡り 悪戯な時が 君を記憶の底へ連れ去っても 必ず 迎えにゆくよ 「繋いだ手 離さないで」 終わりを告げる鐘の音が響く 儚く微笑んだ君は 新しい朝に溶け て消えた 狂い咲き、灰色の未来が君を手招く 二度と枯れることはない 君を照ら す光になるから そう消えることはない ずっと忘れ はしない 痛いほど真っ白な 永遠に解けぬ約 束