事情は忘れてしまった 孤独に沿うほどの矜持もなくて 今更追いかけるほどの 情念ももうこの手のひらにはないわ 人混みをかき分けて 駆ける少年少女 この街に準えて謳う 扇情的感性の果ての嘲笑と焦燥を 凍えた感情を芯まで 温めて理想のシンパへ 捨て去れない情の分まで 抱きしめて異常の文化で 駅前に転がった正解を 途方もなく愛せるならば 拙くも思想は確かに 酔いどれの酔狂であるだろう 季節はだんだんと夏になって 季節はだんだんと冬になっていく この感情を置き去りにしたまま いつまでも過ぎていてくれ 季節はだんだんと秋になって 季節はだんだんと春になっていく この感情を置き去りにしたまま いつまでも 手紙 カレンダー 窓の外の冴えない世界 いつかうちに忘れていった靴下 もう着なくなったのって言った 冬物のジャケット 手紙 カレンダー 窓の外の絶えなく続く世界 いつか思い出した感情 未だ春を待ちながら