杪夏 藍 踏切 逃げ水 火薬の香り 乾いた風 街 ねぇ、明日はどうする もうわかってたんだ 夏が終わる 僕は滲んでいく 哀 夕暮れ 色付く 視線が揺れる 手が触れて 消えてしまいそうで 晩夏光が 淡く溶ける 月明かり 花が鳴く 遠くで響いた夏だけが 消せない 氷菓子の味になって 霞む 色と 蝉時雨、街の記憶 忘れられるように 夏雲奇峰 風が押して アスファルト蹴った 繰り返す 風鈴がなって 肌に馴染んで 夕立 濡れる 挿花 褪せない色だ 百日紅が風に揺れる もう戻れなくたって 知っていて 晩夏光が苦く溶ける 染まる街が綺麗で 遠くで聞こえる葉の音が 枯れてる記憶の音になって 淡く消える 錆びついた夏の匂い 抜け出せないまま僕は滲んでいく 遠くで響いた夏だけが 消せない 氷菓子の味になって 霞む 色と 蝉時雨、街の記憶 忘れられるように