貴方が遺した疵痕を秘すように 夜空を星屑で塗り潰した 其れでも月は識る 亡く森に咲くのは 双つの影 暁に絶つ 幽かな温もりを"愛"と呼んだ 其れすら罪だと云うのなら 紅い夢に溺れて逝く 私を嗤えば善い 優しい嘘で 疵付けたら 「―もう、痛くないよ」 眸を閉じれば甦る 愛しい跡(サーガ) 此の眼を潰したら 仕合わせかな 其れでも月を魅る 希望の片を一つ呉れた 貴方を憎めば善い? 美しいだけの世界ならば もう居たくは亡い、 紅い夢に溺れて逝く 私を嗤えば善い 優しい嘘が 赦されるなら 「―もう、痛くないよ」