煙、とぐろを巻く 乾いた音に耳をふさぐ 冷えた手足 深海に沈めよ すべてどうでもよかった なにも怖くはなかったけど 確かなものがひとつだけ 君の手はあたたかい 「死にたくなったら 聴くんだ」って、 君が教えてくれた曲 音楽のことはこれっぽっちもわから ないけど そうか この曲が流れてるとき 君は誰よりも 生きたいと 思ってるんだね 盗み見たその横顔はとても綺麗だ とばり 夜を裂く衣擦れのようで 頽れそう 言葉なんて人を 騙すために生まれたものでしょう 僕が怒るのも 笑うのもやめたときにはいつも 隣に君が居る 「泣きたくなったらおいで」って 言ってきた人たちは 今までにたくさんいたんだけど でも「泣けなくなったら 教えて」って言う人は 君だけだったんだよ 盗み見るその横顔をずっと 覚えていたい 窓の外より暗い部屋で ひとのかたちをした僕ら あたまのおかしな怪獣の針は僕が 止めたから もう眠っていいよ 「死にたくなったら 聴くんだ」って、 君が教えてくれた曲 音楽のことはこれっぽっちもわから ないけど そうか この曲が流れてるとき 君は誰よりも 生きたいと 思ってるんだね 生きようとしてるんだね 盗み見たその横顔はとても綺麗だ