スイカをかじれば 思い出す あの夏の僕ら 恋をした ひとつひとつ スイカは野菜か果物か つまらない喧嘩が 恋しくて 噛んでしまった 種が苦い 果物だって 言い張った あのくらい 伝えていたら 種の数以上 伝えてたら 甘く真っ赤な 夏だったのは スイカじゃなくて君のおかげ そうだって 分かってたはずなのに 欲しがるばかり 塩をかけた… まだ青すぎる 僕だったから 今年は少し苦い味 嗚呼 君の隣なら 夏のけだるさ それさえ愛しかった 開けっぱなしの窓 葉月風 肩を並べて 感じた日 浮かべてた 型落ちエアコンで 偽物の 涼しさに吹かれ 微笑んだ あの日は 戻らないんだね 甘く真っ赤な 夏だったのは スイカじゃなくて君のおかげ どうしたって 募った後悔が 纏わりついて離れなくて 熱く真っ赤な 君の顔が 記憶のなかで ぎゅっとさせる 嗚呼 君の隣なら うだるような日も 輝いていたんだ ひとりじゃ食べきれそうになくて 半分残した あいつが 冷蔵庫に 居座ったまま 僕はこの季節 終われない 味のしない 夏になった 食べ尽くされた 皮のように 嗚呼 もう手遅れだよな それならせめて 幸せでいてね