「出雲路橋で 月を見てる ちょっと欠けてるけど きれいだよ」 あきらめかける その5秒前 なんで そんな電話 かけてくるの? いつも、通り雨が 降ってきて 傘を持たないから 濡れちゃうんでしょう? 同じ 後悔を 繰り返して ちっとも変わらない ダメな人ね 月は いつも 欠けている 一カ月のうち ほとんどは 欠けている 僕らも どこか 欠けたまま ほとんど 変わらない日々 過ごしてる 荒神橋まで 歩いた頃 ちょっと うつむいた 君を見つける 同じ言葉を また 繰り返す 「ごめんね」ではじまる夜は きっと長い 「季節はずれの 花火をしよう」って 思いつきで コンビニを探しても どこにも 売ってないのは 最初から知ってた それで 仕方ないから 缶ビールを買って ごまかす こうなることが わかっていたから 自転車やめて 歩いてきたんだよ 月は 雲が かかってさ よく見えないけど それでいい 月は いつも 隠れてて 一カ月のうち ほとんどは 欠けたまま 僕らも どこか 欠けている けど 何か こうして歩いてたら 満たされたような 気がして また すぐに 見失って 探して 見つからなくて いつもここに 戻ってくるのさ 「出町橋で また月を見よう ちょっと欠けてるけど そこがすき」 約束はまだ 苦手でも たまには ささやかな 未来の 話をしよう